自由診療と混合診療について

健康保険証を持っている人が、日本で治療を受けると健康保険が適用されて、実際にかかった治療費の3分の1程度のお金で治療を受けることができます。
(年齢によって、自己負担率は異なります)

ところで、この健康保険、保険が適用される治療とそうでない治療が存在します。
保険が適用される治療とは、厚生労働省が・・・

「この治療は効果があると認められるし、安全だと認められるのでOKですよ」

・・・と認めた治療だけです。

つまり、「認可」された治療しか、健康保険で自己負担率が減らないのです。

そこで、問題になるのが・・・
「世界的には使用が認められて、効果もあると言われているお薬なのに、日本では厚生労働省が認めていないので利用できないお薬がたくさんある」
・・・ということです。

これでは、「もう、このお薬しか希望がないのに、肝心のこのお薬が使えないのであれば、自分は死ぬしかない」となったときです。
そんな時に選択するのが「自由診療」「混合診療」「保険の範囲内の終末期医療」です。


「自由診療」とは、保険からお金を出してもらうことなく、全て自分のお金で治療費を賄ってしまう治療のことです。この方法ですと、治療によっては支払いが莫大になります。

「混合診療」とは、保険の適用される治療は健康保険を適用して、保険が効かない治療は自腹を切って支払うと言う治療です。
現在(2007年度)の段階では、日本では混合診療は認められていません。

「保険の範囲内の終末期医療」とは、保険の効く範囲内で終末期医療を行うと言うものです。
病から来る疼痛を取りながら安らかな最期を送る時などに利用されます。


先ほども述べましたが、現在の日本では、混合診療が認められていません。
ですので、日本で厚生労働省から認可されているお薬や治療法を使うだけでは、もう手の施しようのない場合、自由診療か保険の範囲内の終末期医療かを選ばなければなりません。
これが、末期癌などの重篤な病の方やそのご家族の苦しみを生み出しているケースがあります。

2007年11月7日、混合診療を認めないのは違法という判決が東京地裁で出されましたが、私もこの意見には賛成です。
何故なら、海外で使用されているけれども、日本では使用できない新薬でしか助からない(延命できない)、余命いくばくもない方々が日本国内に多数おられるからです。

ただし、混合診療行われすぎる、或いは、混合診療の普及によって、高額所得者や資産家のみが良い治療を受けられるようになるのには反対です。
ですので、これらの問題を解決する最も良い方法としては、「早急に新薬を承認するための審査人員の拡充」であると思います。

そういえば、先日、升添厚生労働大臣が審査人員を大幅に増やすと言っていられましたが、本当にそれが実現し、一刻も早く、諸外国並みに新薬審査が速やかに行われるようになって欲しいと思います。(・・・というか、どうして今までかような重要案件が置き去りになってしまっていたのか、そちらの方が不思議でなりませんが・・・。(^_^;))

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