免疫療法と治療費

父が進行がんであると分かったとき、私は父が末期がんであるという事態に備えて、色々な治療法を調べてみました。まず始めに調べたのが化学療法です。

化学療法は、抗がん剤(化学物質)を使ってがんを抑制したり縮小させたりするお薬です。

この抗がん剤、最初は弱い薬でも効く可能性があるのだそうですが、そのうちに抗がん剤に耐性のあるがん細胞がのさばるようになってしまい、強い抗がん剤を使わなければならなくなってしまいます。

そして、ついには抗がん剤を使ってもがん細胞の抑制・縮小効果が無くなってしまうのだと知りました。

そんなわけで、化学療法以外の治療法を探したのですが、そんなときに見つけたのが免疫療法でした。
しかし、免疫療法は保険がききません。ですので、全額自己負担です。

最初は、命には代えられないからと思い、免疫療法のお金を自己負担しても免疫療法を受けようかとも考えたのですが、よくよく調べてみると、免疫療法の自己負担の金額はべらぼうに高いのです。

その時に、マンションが一件買えるほどのお金を持っていて、それを全てがん治療に当てること可能であれば免疫療法を受け続けることもできるけれど、そうでなければ免疫療法を受け続けることは非常に困難なことであると知ったのでした。

日本は国民皆保険制度が存在していますので、健康保険に加入していれば、日本全国どこの病院でも自己負担3割で、一定以上の治療費がかかった場合はそれ以上の負担がかからないようなシステムになっています。

しかし、がんの免疫療法に関して言えば、たくさんのお金を持っている人々とそうで無い人々の間には、治療の中身において大きな差が出るのだと知りました。

もし、お金をたくさん持っていて免疫療法を受けることが出来ていれば、がんはなくならなかったとしても涅槃に旅立たなくても済んだ可能性があるかもしれないこと考えると、かなり複雑な心境になってしまいます。

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